病院やクリニックの内装デザインは、患者の安心感や快適性に大きな影響を与えます。近年、医療施設の内装にも注目が集まり、おしゃれで機能的なデザインが増加。この記事では、病院やクリニックの内装デザインに求められる条件や、色使いのポイント、診察室の広さの基準などを解説します。さらに、実際のおしゃれな病院の内装事例や外装事例も紹介しますので、医療施設の設計や改装の参考にしてください。
クリニック・病院の内装デザインに求められる条件とは
病院やクリニックの内装デザインは、見た目の美しさだけでなく、機能性や患者の安心感、スタッフの働きやすさを考慮した設計が求められます。以下に、内装デザインに求められる具体的な条件を紹介します。
清潔感のある内装
病院やクリニックの内装で最も優先すべき要素は清潔感です。清潔感のある空間は、患者に安心感を与え、信頼感を高めます。清掃がしやすい素材を選び、汚れが目立たない色調やデザインを採用しましょう。例えば、壁は防汚効果のあるクロスを使用し、床材には抗菌処理が施されたフローリングを選択すると良いです。これにより、日々のメンテナンスが容易になり、常に清潔な環境を保つことができます。
ポジティブな雰囲気の内装
ポジティブな雰囲気を持つ内装は、患者の気持ちを明るくし、治療への前向きな姿勢を引き出します。温かみのある色合いや、自然素材を多く使ったデザインが効果的です。壁や家具には、落ち着いたパステルカラーや木目調のデザインを取り入れると、温かみを感じさせます。
アート作品や観葉植物を配置することで、リラックスした雰囲気を演出できます。待合室や診察室には、季節感を感じさせるディスプレイや装飾を取り入れると、訪れるたびに新鮮な気持ちにさせることができるでしょう。
開放的な雰囲気の内装
開放的な雰囲気の内装は、患者に圧迫感を与えず、リラックスした状態で過ごせるようにします。大きな窓を設けて自然光をたっぷりと取り入れることや、天井を高くして空間にゆとりを持たせる設計が効果的です。待合室や診察室のレイアウトも、できるだけ広々と感じられるように工夫しましょう。
例えば、家具の配置を工夫して動線を広くとり、壁を取り払ってオープンスペースを多くすることで、患者に解放感を与えられます。さらに、外の景色が楽しめるようなデザインを取り入れると、よりリラックスした空間が生まれます。
患者やスタッフの導線を考える
病院やクリニックの内装デザインにおいて、患者とスタッフの導線設計は非常に重要です。スムーズな導線は、患者のストレスを軽減し、スタッフの効率的な作業をサポートします。受付から待合室、診察室、検査室、処置室への移動がスムーズに行えるように配置することが望ましいです。
診察室と処置室を隣接させ、患者が最小限の移動で診療を受けられるようにすることで、患者の負担を減らすことができます。また、スタッフ専用の動線を確保することで、患者との無駄な接触を避け、作業効率を向上させることができるでしょう。動線の交差を避け、患者のプライバシーを保護する工夫も求められます。
防音対策
プライバシーを確保し、患者の不安を軽減するために、防音対策は欠かせません。診察室やカウンセリングルームには、防音素材を使用し、外部の音を遮断することが望ましいです。また、待合室では、落ち着いた音楽を流すことで、リラックスした雰囲気を作り出すことができます。
防音ドアや二重窓の設置も有効。さらに、壁や天井に吸音材を使用することで、室内の音の反響を抑え、静かで落ち着いた空間を提供します。これにより、患者は安心して医師との相談ができ、リラックスした環境で治療を受けることができるでしょう。
バリアフリー
すべての患者が安心して来院できるよう、バリアフリー設計は欠かせません。車椅子の患者や高齢者、ベビーカーを利用する親子に配慮した設計を心掛けましょう。段差をなくし、広い通路やエレベーターを設置することで、誰もが快適に過ごせる環境を提供します。
入口にはスロープを設け、各所に手すりを配置することで、安全に移動できるようにします。また、トイレや診察室にもバリアフリー対応の設備を導入し、すべての患者が不自由なく利用できるように配慮することがおすすめです。
クリニックや病院の内装はどんな色づかいがいい?
色づかいは病院やクリニックの雰囲気を大きく左右します。色の選び方によって、患者の心理状態やリラックス度が変わるため、慎重に選択する必要があります。一般的には、明るくて清潔感のある色が好まれます。白やクリーム色は清潔感を強調し、落ち着いたグリーンやブルーはリラックス効果を高めます。
特に待合室や診察室には、パステルカラーを使用することで、柔らかく優しい印象を与えられます。一方で、あまりにも派手な色や暗い色は避けた方が良いでしょう。これらの色は、患者に不安や緊張を与える可能性があるからです。色のバランスを考慮し、患者にとって心地よい空間を作り出すことが望ましいです。
診察室の広さはどれくらい必要?
診察室の広さは、診療の種類や患者数によって異なりますが、一般的には15~20平方メートルが適当とされています。この広さがあれば、患者と医師がリラックスして対話できるスペースが確保でき、必要な医療機器や備品を配置するための余裕も生まれます。
さらに、診察室のレイアウトにも工夫が求められます。例えば、診察台や椅子の配置を工夫し、患者がスムーズに移動できるように設計することで、快適な診療環境を提供できます。広さだけでなく、使い勝手やプライバシー保護の観点からも配慮が必要になります。
おしゃれな病院の内装事例
病院やクリニックの内装デザインは、患者に与える印象や居心地の良さを大きく左右します。ここでは、実際におしゃれな内装で評価されている病院の事例を紹介し、それぞれの特徴を解説します。
おしゃれな病院の内装事例1.もりのぶ小児科
東京都新宿区にある「もりのぶ小児科」は、モダンデザインのおしゃれな小児科です。エントランスには熱帯魚が泳ぐ水槽が置かれ、院内に足を踏み入れると、白いキューブが浮遊しているかのような神秘的な内装が広がります。キューブや壁の隙間から漏れる間接照明の穏やかな光が、白を基調とした空間を優しく照らし、来院したお子さんと保護者の不安を和らげています。
おしゃれな病院の内装事例2.CZEN SKIN CLINIC
CZEN SKIN CLINICは、気軽に通える美容クリニックをテーマに設計されています。漆喰の壁と木目の壁を中心に、コンパクトな空間をアットホームでリラックスできる雰囲気に仕上げています。処置室では間接照明を効果的に使用し、やわらかな光で包み込まれるような安心感を提供。友達の家に遊びに行くような空気感が、美容医療への障壁を取り除き、身近さを感じられるデザインが特徴です。
おしゃれな病院の内装事例3.しみずヒフ科医院
しみずヒフ科医院は、独立した女医が経営する優しい雰囲気のクリニックで、カフェのようなおしゃれな感覚が特徴です。清潔感を保ちながら、受付カウンターはナチュラルなオーク材とモザイクタイルでデザインされ、待合室にはナチュラル感と可愛らしさが映える壁面グラフィックが施されています。診察室は部屋ごとに色分けされ、共通のブラウンでアクセントをつけ、温かい雰囲気を醸し出しています。
病院のおしゃれな外装事例
病院の外装デザインは、患者が最初に目にする部分であり、その病院の第一印象を決定づけます。以下に、おしゃれで印象的な外装デザインの病院事例を紹介します。
病院のおしゃれな外装事例1.ひたち野ファミリークリニック
ひたち野ファミリークリニックは、家族が公園に遊びに行くような気軽さを感じられるファミリーフレンドリーなデザインが特徴です。高い吹き抜けの天井、屋外風のタイル、公園の時計を模した照明などが楽しくリラックスできる空間を演出。内科と皮膚科の受診エリアは分離されており、どちらからもバックヤードへのアクセスが容易です。また、患者の動線が交差しない設計により、スムーズで快適な通院体験を提供しています。
病院のおしゃれな外装事例2.湖西形成外科
湖西形成外科は、大津市堅田に位置する約200㎡の形成外科クリニックです。「形成外科らしくない、ワイナリーのようなイメージ」という独自のコンセプトで建築されました。波型の混ぜ葺瓦やアーチ風のひさしなど、遊び心を取り入れた外装デザインが特徴です。さらに、院内のプライバシーを守るための工夫や、バリアフリー設計も施されています。
病院のおしゃれな外装事例3.常滑 はたなか歯科
常滑 はたなか歯科は、女性と子供をターゲットにしたハイデザインの歯科医院です。外観と内観はモダンでありながら親しみやすさを重視し、入りやすいデザインになっています。全室土足のまま入れるよう、バリアフリースロープと床仕上げが施されています。大きくカーブした道路に面した敷地には、視覚的なインパクトを持つサインと一体化した外観が特徴です。待合室からは風景が良く見える設計で、夜間にはアッパーライトで美しく照らされています。
まとめ
病院やクリニックの内装デザインは、患者の安心感やリラックス感を高めるために大切です。清潔感、ポジティブな雰囲気、開放感、動線の工夫、防音対策、バリアフリーといった要素を考慮することで、患者にとって居心地の良い空間を提供できます。また、色づかいや診察室の広さにも気を配り、おしゃれで機能的な内装を目指しましょう。内装や外装の事例を参考に、理想の病院デザインを実現してください。
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