BIMとCIMの基本を徹底解説!違いや導入法も紹介

BIM

建築設計 CAD

建設業界のデジタル化が進む中、BIM/CIMが注目を集めています。3次元モデルを活用した新しい建設手法は、設計から施工、維持管理まで建築プロセス全体を効率化します。具体的な活用法や導入のポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。

BIM/CIMとは?基本概念の解説

建設業界のデジタル化が進む中、注目を集めているのがBIM/CIMです。建物や土木構造物を3次元モデルで表現し、設計から施工、維持管理まで一貫したデータ活用を実現する手法として、多くの現場で採用が広がっています。コストや工期、品質管理など、さまざまな課題解決につながる可能性を秘めた新しい取り組みです。

BIMとCIMの定義

BIMは建築分野CIMは土木分野で使われる3次元モデル化の手法です。どちらも単なる形状データだけでなく、材料や工期、コストなどの情報を組み込んだ統合データベースとして機能します。2018年からは国土交通省が両者を「BIM/CIM」として一本化し、建設産業全体のデジタル化を推進する取り組みとして位置づけています。

BIM/CIMの目的とメリット

BIM/CIMの主な目的は、建設プロジェクトの効率化と品質向上です。3次元モデルを使って事前に問題点を洗い出せるため、手戻りの防止や工期短縮につながります。また、関係者全員が同じデータを共有できるので、意思疎通がスムーズになり、ミスのない正確な施工が可能です。維持管理の面でも、建物の情報を一元管理できる利点があります。

BIMとCIMの違い

建築と土木、それぞれの分野で活用される3次元モデル化の手法は異なります。建物やビルを扱うBIMと、道路やダムといったインフラ設備を扱うCIMでは、必要な情報や活用方法が大きく変わります。双方を組み合わせることで、建設業界全体の業務効率化を実現できます。

BIMとCIMの違いをわかりやすく解説

BIMは建物の3次元モデル化に使われ、主に建材や設備の情報を扱います。一方CIMは道路やトンネルなどの土木工事で使用され、地形や地質などの自然環境データも含みます。BIMが規格化された建築物を対象とするのに対し、CIMは一点ものの大規模構造物を扱うのが特徴です。

用途ごとの使い分け

建築設計では規格化された部材情報を含むBIMを使い、設備や内装の検討を行います。土木工事では地形データを含むCIMを使って、周辺環境への影響を確認します。プロジェクトの内容に応じて、BIMとCIMを使い分けることで、より正確な計画立案が可能になります。

CIMの特徴と利点

CIMは地形や地質といった自然環境のデータを取り込み、インフラ整備に活かせます。広範囲の3次元データを扱えるため、土木工事特有の課題解決に役立ちます。また、施工計画から維持管理まで一貫したデータ管理ができ、長期的な工事でも一度作成したモデルを継続して活用できます。

BIM/CIMの導入

建築設計 会社員

建設業界のデジタル化に伴い、BIM/CIMの導入は避けられない流れとなっています。導入にあたっては、現場のニーズを把握し、段階的に進めることがポイントです。初期費用は必要となりますが、長期的に見ると業務効率化による大きな利点があります。

導入の流れと段階

まずは社内での勉強会を開き、BIM/CIMの基礎知識を共有することから始めます。次に小規模なプロジェクトで試験的に導入し、課題を洗い出します。その後、成功事例を基に本格導入へと移行します。段階的な導入により、社員の理解度も深まり、スムーズな運用が実現できます。

必要なソフトウェアとツール

3次元モデリングソフトを中心に、データ管理システムや情報共有ツールが必要です。これらは互いに連携できるものを選び、一貫した作業環境を整えます。また、高性能なパソコンやサーバーも必要となり、クラウドサービスの活用も検討します。

実施時の課題と対策

導入時の主な課題は、高額な初期費用と人材育成です。費用面では補助金制度の活用や段階的な導入を検討します。人材面では外部研修の活用や、社内での勉強会開催が有効です。また、既存の業務フローとの整合性を図り、混乱を防ぐことも大切です。

BIM/CIMの義務化と法規制

建設業界のデジタル化を加速させるため、国土交通省は2023年度から小規模工事を除くすべての公共工事でBIM/CIMの活用を原則化しました。当初の計画から2年前倒しとなったこの方針は、新型コロナウイルスの影響でリモートワークの必要性が高まったことがきっかけです。建設業界全体のデジタル化が進むにつれ、働き方改革にも良い影響をもたらすと見込まれています。

国土交通省の取り組み

建設業界の生産性向上を目指し、国土交通省はBIM/CIMの普及に向けた様々な施策を実施しています。発注者の要求事項として「リクワイヤメント」を定め、「出来上がり全体イメージの確認」や「施工ステップの確認」といった活用目的を明確にしました。また、実際の導入事例を公開し、業界全体での知見の共有も進めています。

法規制の背景と影響

建設業界の人手不足や高齢化、生産性の低下といった課題に対応するため、BIM/CIMの導入が進められています。義務化により、設計・施工・維持管理の各段階で3次元モデルの活用が標準となり、作業効率の向上や若手技術者の育成にも役立っています。設計事務所や建設会社は、この変化に向けて体制づくりを急いでいます。

義務化の目的と意義

建設業界のデジタル化を通じて、作業の効率化や品質向上を実現することがBIM/CIM義務化の大きな目的です。3次元モデルを活用することで、施工前の問題点の発見や、関係者間での情報共有がスムーズになります。また、若い世代が活躍しやすい環境づくりにつながり、建設業界全体の魅力向上にも役立っています。

BIM/CIMで利用する3Dモデルの作成

建築 技術者

建設や土木の現場で使用する3Dモデルは、単なる立体的な図面以上の役割を果たします。設計情報や施工手順、材料の仕様など、さまざまな情報を含んだデータベースとして機能し、工事の計画から完了後の維持管理まで幅広く活用されています。モデル作成時には、後の活用場面を見据えた準備が大切です。

3Dモデルの基礎知識

BIM/CIMで使用する3Dモデルは、建物や構造物の形状を立体的に表現するだけでなく、材料や仕様、コストなどの情報も持ち合わせています。このモデルは、設計段階での干渉チェックや施工手順の確認、完成後の維持管理まで幅広く活用できます。作成時には、各工程での利用方法を想定した情報の入力が欠かせません。

モデル作成の注意点

3Dモデルの作成では、目的に応じた詳細度の設定が重要になります。LOD(Level of Detail)とLOI(Level of Information)という2つの指標を使い、形状の精密さと情報の詳細度を適切に定めます。後工程での利用を見据えて、必要な属性情報を漏れなく入力し、データの互換性にも気を配る必要があります。

効果的なモデルの作成方法

3Dモデルを効果的に活用するには、プロジェクトの初期段階で使用目的を明確にすることが大切です。設計・施工・維持管理の各段階で必要となる情報を整理し、それらを段階的にモデルへ反映していきます。また、関係者間でデータ形式や作成ルールを統一し、スムーズな情報共有ができる環境を整えましょう。

BIM/CIMシステムの構成要素

建設プロジェクトのデジタル化には、3Dモデリングだけでなく、さまざまなシステム要素が不可欠です。設計データ、工事記録、維持管理情報などの一元管理をはじめ、関係者間でのスムーズな情報共有を実現するプラットフォームまで、多岐にわたります。これらを効率的に組み合わせることで、業務の効率化が進みます。

必要なデータと情報共有

BIM/CIMに必要なデータは、3次元の構造モデルを中心に、設計図面、工事スケジュール、コスト情報など多岐にわたります。これらのデータは、各工程で発生する様々な情報と統合して一元管理することで、建設プロジェクトの進行状況をリアルタイムに把握できます。さらに工事関係者とのスムーズなデータ共有により、素早い意思決定が可能になります。

クラウドサービスの活用

建設現場とオフィスをつなぐクラウドサービスは、BIM/CIMの運用に欠かせません。施工データや進捗状況をリアルタイムでアップロードし、どこからでもアクセスできる環境を整えることで、現場作業の効率が大きく向上します。また災害時のデータバックアップや、セキュリティ対策の面でも、クラウドの活用は大きなメリットをもたらします。

モデリングツールの比較

建設業界向けの3Dモデリングツールは、用途や規模によって選択肢が豊富です。規模の小さな案件向けの基本的な機能を備えたものから、大規模プロジェクト向けの高機能なものまで、予算や目的に合わせて選べます。機能面では、干渉チェックや施工シミュレーション、数量算出など、各ツールの特徴を見極めて選定することが大切です。

まとめ

BIM/CIMは、建設業界の課題を解決する強力なツールです。3Dモデルの活用で業務効率が上がり、施工の品質も向上します。初期投資は必要ですが、長期的に見れば大きな効果が期待できます。今後は義務化も進み、建設業界全体のデジタル化が加速するでしょう。

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