blenderとは?なぜ無料なのかや作品例もくわしく紹介

3Dモデリング

3DCGソフトウェアに興味がある方の中には利用できるソフトウェアやツールを調べて、高価な専門ソフトに躊躇している方も多いのではないでしょうか。実は、無料で高機能な3DCGソフトウェアが存在します。それが「blender」です。「blenderってどんなソフト?」「blenderでどんなことができるの?」と興味がある人もいるのではないでしょうか。プロ仕様の機能を備えながら、なぜ無料なのか?どんなことができるのか?これらの疑問に答えながら、blenderの魅力と可能性を探っていきましょう。建築分野でも活用が進むblenderについて、基礎から応用まで、わかりやすく解説します。

blenderとは

無料でありながら高機能なblender、実際のところどのようなソフトウェアなのでしょうか。その基本やどんな特徴があるソフトウェアなのか、無料の理由について紹介します。

blenderの基礎知識

blenderは、オープンソースの3DCGソフトウェアです。1995年にオランダの3Dアニメーションスタジオで開発が始まり、2002年にオープンソース化されました。モデリング、テクスチャリング、リギング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、モーショングラフィックス、ビデオ編集、ゲーム制作など、3DCG制作に必要なほぼすべての機能を備えています。

blenderの特徴

blenderは多機能でありながら、完全無料で提供されています。多くのプロフェッショナルやアマチュアに利用されており、その汎用性と拡張性の高さが特徴です。カスタマイズ可能なユーザーインターフェースと、Pythonスクリプトによる拡張機能も魅力です。

1. 多機能性:3D制作のほぼすべての工程をカバー
2. クロスプラットフォーム:Windows、Mac、Linuxで動作
3. カスタマイズ性:Pythonスクリプトによる機能拡張が可能
4. コミュニティサポート:世界中のユーザーによる活発な情報交換
5. 定期的なアップデート:最新の3D技術に常に対応

blenderはなぜ無料?

blenderはオープンソースソフトウェアとして、世界中のコミュニティによって開発・サポートされています。これにより、誰でも無料で使用できるようになっており、開発資金は寄付やクラウドファンディング、スポンサーシップで賄われています。、3DCG技術を誰もが利用できるようにすることで、クリエイティブな表現の可能性を広げることを目指しています。この独特なビジネスモデルにより、高品質なソフトウェアを無料で提供し続けることが可能になっています。

blenderの欠点は?

無料で活用できて高機能なblender、メリットだらけと思うでしょうが、いくつか欠点もあります。3DCGを始めようという初心者の方だけでなく、他の3DCGのソフトに慣れた人にとっても扱いづらいソフトウェアであるとも言われています。では実際どのような欠点があるのか見ていきましょう。

操作の難易度は高め

blenderの操作インターフェースは独特で、操作が複雑で習得には時間がかかります。初心者だけでなく、他の3DCGソフトに慣れた人にとっても直感的に利用できない部分があります。また、多機能であるがゆえに、3Dモデリングやアニメーションの初心者にとっては初めての操作が難しい印象を受けることがあります。しかし、最近のバージョンでは操作性の改善が進められており、徐々に使いやすくなっています。

サポートが少なめ

商用ソフトウェアと比較すると、商用ソフトウェアのような公式のサポート体制は整っていません。問題解決には主にコミュニティフォーラムやオンラインコミュニティ、個人のチュートリアルに頼ることになります。ただし、世界中のユーザーが活発に情報交換を行っているため、多くの場合、必要な情報を見つけることができます。

blenderで何ができる?

多機能な3DCGソフトウェアのblender、実際にどんなことができるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

モデリング

blenderは強力なモデリングツールを備えており、複雑な3Dモデルを作成することができます。ポリゴンモデリング、テクスチャリング、スカルプティング、パラメトリックモデリングなど、様々な手法でモデルを作成できます。建築分野では、建物の外観や内装、家具などの3Dモデルを作成し、プレゼンテーションや設計検討に活用できます

アニメーション

3Dモデリング

blenderでは、キャラクターアニメーションやモーショングラフィックスを作成することができます。キーフレームアニメーション、リギング(ボーンによる制御)、モーションキャプチャーデータの利用など、多彩なアニメーション機能を提供します。建築プレゼンテーションでは、カメラワークによる建物のウォークスルーや、動く部分(ドアや窓など)のアニメーションに利用できます。

blender作品例5選

では実際にblenderを活用して作成されている作品を見てみましょう。作品例を見ることで、blenderがいかに高機能であるか、幅広い分野に活用できるツールであるか感じることができるでしょう。

blender作品例1:3DCGのアニメーション

blenderを活用することで、よりリアルなCG映像を作り出すことができます。
国民的アニメとして大きな話題になった「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、プロジェクトスタジオQという映像制作会社では、一部の戦闘シーンなどのCG制作にblenderを活用しています。3DCG制作にはモデリングで用いられており、レンダリングもblenderで行っているようです。質感だけでなく、光や影などの細かい表現をコントロールすることでよりリアルなエフェクトが作れるようになり、迫力や臨場感のある映像になっています。

アニメーション映画などの大きなプロジェクトでは複数の企業が映像制作にかかわることも多く、その際には互換性の問題から、すべてのクリエイターが同じソフトや環境を使用しなければならないという条件があります。そのため、無料で誰でも導入しやすいblenderを導入したそうです。

blender作品例2:ゲームのビジュアライゼーション

映像作品だけでなく、ゲームもよりリアルで臨場感がある作品が増えています。これは3DCGがゲーム制作にも活用されるようになったためです。まるで現実世界のようなリアルな建築ビジュアライゼーションや、プレイヤー、キャラクターの表現が可能になりました。また、3Dキャラクターのモデリングからアニメーションまで一貫して制作可能なため、表情やボディランゲージの豊かな表現が可能で、より魅力的で迫力のあるゲーム制作が可能になっています。

blender作品例3:モデリング機能を使用した3Dプリントの原型制作

3Dプリンタ

Blenderではポリゴンでモデリングが機能もあるため、CADのように活用もできます。モデリング機能を活用することで、アニメーションやゲームのキャラクター制作だけでなく、小物やアクセサリーなどの原型制作まですることが可能に。細部までこだわったデザインを作りだすことができます。スカルプトモードを使用することで、まるで彫刻のようにもモデリングすることができます。制作した原型は3Dプリントで出力できます。また、この機能は、フィギュアなどの原型作りにも活用することができます

blender作品例4:建築設計・インテリアデザイン

建築業界でもblenderは活用されています。主に3DCGは設計だけでなく、建設に至るまでの工程で活用されています。建築物やインテリアを3DCGを用いて設計することで、外装や内装を確認することができます。ライティングを駆使することで実際の日当たりをシミュレーションしたり、実際に人間をモデリングして配置することで、建物を建築する前に様々なポイントを事前に確認することができます。詳細な家具モデリングや素材表現により、リアルなインテリアCGを作成できます。
また、設計段階では、地震や台風などの災害などの耐久シミュレーションなどを行うこともできます。

blender作品例5:疑似体験ツールとしての活用

アメリカの宇宙開発政府機関NASAの公式サイトでは、blenderを活用した未知の宇宙や惑星を疑似体験できるツールを発表しています。またNASAでは月面のテクスチャを無料配布しており、ダウンロードすることでblenderモデルに貼り付けることができます。

blenderを活用した疑似体験は未知の世界だけではありません。VR・MR・AR技術と3DCG技術を組み合わせることで、現実世界にバーチャルな商品やキャラクターを出現させることができ、様々な体験を可能にしています。

まとめ

blenderは、無料でありながら専門的な3DCG制作に十分な機能を備えたソフトウェアです。その高い拡張性とコミュニティのサポートにより、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに愛用されています。建築分野においても、ビジュアライゼーションやプレゼンテーション、デザイン検討など、幅広い用途で活用できます。確かに学習曲線は急ですが、豊富なオンラインリソースとコミュニティのサポートにより、継続的な学習と上達が可能です。blenderを使いこなすことで、建築プロジェクトの表現力を大幅に向上させることができるでしょう。ぜひ、blenderの世界に飛び込んで、その可能性を探ってみてください。

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