店舗設計とは?店舗設計と店舗デザインの違いや流れも詳しく解説

飲食店 リノベーション 打ち合わせ

店舗を開業する際、店舗設計は成功の鍵を握るといっても過言ではありません。しかし、設計の進め方や依頼先の選び方に悩む方も多いでしょう。本記事では、店舗設計の基礎知識から依頼方法、具体的な設計のフローまでを詳しく解説します。これから店舗を開業する方はもちろん、リニューアルを考えている方にも役立つ情報です。

店舗設計の基礎知識

店舗設計は、ビジネスの成功を左右します。顧客を引き付け、スタッフの業務効率を向上させ、ブランドイメージを強化する力を持っています。これから、店舗設計の基本を詳しく見ていきましょう。

店舗設計とは?

店舗設計は、店舗の内外装のレイアウトやデザインを設計することです。単なる空間づくりではなく、店舗コンセプトや経営方針を具現化する重要な工程です。
店舗設計では、店舗の機能性と実用性に焦点を当て、建物のレイアウトや構造、配管、照明、通気などを検討しながら、店舗の形状や配置を決定していきます。また、法律や規制への対応も店舗設計の重要な部分です。

店舗設計と店舗デザインの違いは?

店舗設計は、効率的な作業空間の確保、顧客の動線設計、商品陳列スペースなど、店舗の運営に直接関わる部分を扱います。工務店の対応範囲であり、建物の構造や設備、法規制への対応など、より技術的な側面を扱います。
一方、店舗デザインは、色彩、照明、空間デザイン、ディスプレイなど、店舗の外観と内装を通じてお店の魅力を引き出し、「おしゃれ」「かっこいい」といったブランドイメージを創造することを目的としています。

店舗設計はどこに依頼する?

店舗設計の依頼先には3つの選択肢があります。まず一つ目は設計事務所です。設計事務所は主に店舗の設計図作成と工事監理を担当します。二つ目は内装工事業者で、設計から施工まで一括して対応できる業者が多くあります。三つ目は工務店です。主に施工を担当しますが、設計に対応できる業者もあります。

それぞれの特徴を理解して選択しましょう。設計事務所は専門的なデザイン力が強みですが、施工は別の業者に依頼する必要があります。内装工事業者は設計から施工まで一貫して対応できるため、工程管理がスムーズです。工務店は施工技術に優れていますが、デザイン面では他の2つに比べると弱いことがあります。

店舗設計の依頼方法

店舗設計を依頼するには、大きく分けて二つの方法があります。一つは設計と施工を別々の業者に依頼する方法、もう一つは設計から施工まで一括して依頼する方法です。どちらにもメリット・デメリットがありますので、自分の条件にあった方法を選びましょう。

設計と施工は別々に依頼する

設計と施工を別々に依頼するメリットは、それぞれの専門性を最大限に活かせることです。設計は優れた設計事務所に依頼し、施工は信頼できる工務店に任せれば、各工程で専門性の高い業者を選択できるため、デザイン面でも機能面でも、より理想に近い店舗を作り上げられるでしょう。
ただしこの方法は、業者間の連携や調整に時間がかかったり、設計と施工の間で齟齬が生じるリスクがあります。さらに、複数の契約を結ぶので手続きが煩雑になります。

大手会社などに依頼する

設計から施工まで一括して依頼すれば、スムーズな進行が期待できます。一社で全てを担当するため、打ち合わせや契約の手続きが簡略化され、工期が短縮できるでしょう。また、設計から施工までを一貫して任せるため、総合的なコスト削減が可能な場合もあります。
大手会社は、豊富な経験と実績に裏付けられた安心感が魅力です。また、社内の様々な専門家から多角的な視点からのアドバイスを受けられたり、アフターフォローとして開業後のサポートが受けられることもあります。

ただし、大手会社は画一的なデザインになりがちなので注意が必要です。また、小規模な店舗の場合、最低受注金額に満たない可能性があります。依頼する際は、会社の特徴やポリシー、過去の実績などをよく確認し、自分の店舗のコンセプトと合致するかを慎重に検討しましょう。

店舗設計のフロー

建築 設計

店舗設計は、相談から完成まで通常3~6ヶ月程度かかります。計画的に進めるためにも、開業予定日から逆算して十分な余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。どのような段階を踏んで店舗設計が進んでいくのか、見ていきましょう。

相談

店舗設計の第一歩は、専門家との相談から始まります。相談では、店舗のコンセプトや予算、開業予定日などの基本情報を伝えます。多くの設計事務所や内装工事業者が初回無料相談を行っているので、複数の業者に相談すると良いでしょう。対応範囲や得意分野、過去の実績などを確認して、相談先を決めます。
相談時には、店舗のイメージや希望する雰囲気をできるだけ具体的に伝えることが大切です。参考にしたい店舗の写真や好みのインテリアスタイルなどを示すと、スムーズにイメージが共有できます。また、ターゲット層や提供するサービス・商品についても詳しく説明します。

物件探しと現地調査

店舗のコンセプトや方向性が決まったら、次は物件探しと現地調査です。物件探しでは、立地条件や広さ、賃料などの基本的な条件に加え、店舗のコンセプトと合うかどうかも検討します。例えば、落ち着いた雰囲気のカフェを開業したい場合、繁華街よりも住宅街に近い場所が適しているかもしれません。また、物件の状態(スケルトン物件か居抜き物件か)によっても、必要な工事の範囲や費用が大きく変わってきます。

物件候補が見つかったら、デザイナーや設計士と共に現地調査を行います。この調査では、物件の詳細な寸法、設備の状態、周辺環境、法律や建築基準法に沿っているかどうかなどを確認します。

構想やコンセプトを練る

物件が決まったら、より具体的に店舗の構想やコンセプトを練ります。ターゲット層の年齢、性別、ライフスタイルなどを具体的に想定し、提供する商品やサービスの明確にします。そして、それらをどのように空間で表現するか検討します。
また、競合店との差別化も重要なポイントで、周辺の類似店舗を調査し、自店の独自性をどこに置くかを決定します。店舗の雰囲気だけでなく、スタッフの接客スタイルや、店舗で流す音楽、香りなどを総合的に考えます。

設計監理契約をする

コンセプトが固まり、基本的な方向性が決まったら、次は設計監理契約を結びます。設計監理契約では、設計図の作成から工事の監理まで一貫して依頼します。この契約により、専門家のサポートのもと、理想の店舗を実現する工程が本格的に始まります。
設計監理契約では、設計費用や工事監理費用、支払い条件、スケジュールなどの詳細を決めます。また、設計変更が生じた場合の対応や、著作権の取り扱いなども明確にしておくことが大切です。契約内容をよく確認し、不明点があれば必ず質問し、納得した上で契約を結びましょう。

基本設計

基本設計では、店舗のコンセプトを具体化し、全体的なレイアウトや内装デザインを決定します。デザイナーは平面図やイメージパースを作成し、完成イメージを視覚化します。この段階で、使用する素材や色彩なども大まかに決めていきます。
基本設計は、実施設計や見積りの基礎となるものです。そのため、この段階でオーナーとデザイナーがしっかりとコミュニケーションを取り、互いの意図を十分に理解し合うことが重要です。必要に応じて修正を重ね、満足のいく基本設計を完成させましょう。

実施設計

実施設計は、基本設計をより詳細に落とし込み、実際の工事に使用する図面を作成。店舗の細部まで具体的に決定していきます。
実施設計では、壁や床、天井の仕上げ材料や色、照明の種類や配置、コンセントやスイッチの位置、空調設備の配置など、あらゆる点を細かく指定し、家具や什器の詳細なサイズや配置も決定します。これらの情報は全て図面上に記載され、施工業者への指示書となります。

この段階では、法令順守の確認も重要です。建築基準法や消防法、保健所の基準など、様々な規制に適合しているかを確認します。特に飲食店の場合は、厨房設備や衛生面での基準が厳しいため、十分な注意が必要です。

施工業者に見積もり依頼

実施設計が完了したら、次は施工業者に見積もり依頼を行い、施工業者を選定します。まず、複数の施工業者に見積もり依頼を出します。なるべく3社以上の業者から見積もりをもらうようにしましょう。見積もり依頼の際は、実施設計図面と共に、仕様書や工事範囲を提示します。

見積もりが集まったら、価格だけでなく、工期、実績、品質、アフターフォローなどを比較検討します。また、見積もり内容に不明な点や疑問がある場合は、遠慮なく質問しましょう。各業者の対応の丁寧さや説明の明確さも、選定の際の重要な判断材料となります。見積もりの内容に納得できたら、施工業者と工事請負契約を結びます。

着工

設備 点検

施工業者との契約が完了したら、いよいよ店舗の工事が始まります。工事が始まったら、定期的に現場を訪れ、進捗状況を確認することが重要です。この際、設計監理を担当している設計事務所の担当者も同行することが一般的です。彼らは専門的な視点から、工事が設計図通りに進んでいるかをチェックします。

予想外の問題が発見されたり、より良いアイデアが浮かんだりして、工事中に設計変更が必要になる場合もあります。変更を行う際は、コスト面や工期への影響を十分に考慮して、慎重に判断しましょう。

竣工

建築工事が完了し、建物が使用可能な状態になると、完成した店舗が設計図通りに仕上がっているか、そして安全に使用できる状態であるかを確認します。それを「竣工検査」と言います。

この検査では、店舗オーナー、設計者、施工業者が共に現場を回り、内外装の仕上がり、電気、水道、ガスなどの設備の動作確認、家具や什器の配置、照明や空調の効き具合、ドアや窓の開閉、防火設備や避難経路に至るまで、細部を確認します。
もし不具合や修正が必要な箇所が見つかった場合は、施工業者に修正を依頼。全ての修正が完了し満足のいく状態になったら、正式に引き渡されます。

オープン

店舗の竣工が完了したら、実際の営業開始に向けて最終的な準備と確認を行います。
オープン前に必ず「プレオープン」または「テストラン」を行うことをおすすめします。実際の営業を想定して、スタッフの訓練や設備の最終チェックを行うもので、模擬的な営業を行ってサービスの流れや料理の提供時間、設備の使い勝手などを確認します。

オープン当日は、スタッフ全員で最終確認を行いましょう。清掃状況、商品の陳列、設備の動作確認など、細かな部分まで目を配ります。オープン後も、常にお客様の反応や店舗の運営状況を観察し、必要に応じて改善を行っていくことが大切です。

まとめ

店舗設計は、お店の成功を左右する大切な要素です。良い設計は、お客様を引き付け、スタッフが働きやすい環境を作り、店の個性を際立たせます。設計の流れを理解し、プロの力を借りることで、思い描いた通りの店舗が作れるでしょう。
店舗設計にしっかり取り組むことで、自分だけの素敵な店舗を作り、お客様に喜ばれる場所を作り上げてみませんか。

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